運営の主旨

高畠素之の著書・論文、および関係する記事を公開することにしました。ただそれだけなのですが、高畠素之はいろいろな理解のされ方をする人です。ですから、あらかじめ私の立場について説明しておきます。

端的に言って、私は高畠さんの主義主張に賛同しているわけでもなく、さりとて評論の是非に協賛しているわけでもありません。私は単純に、傾向として、高畠さんのような皮肉な思考に親近感を感じているだけです。もし彼が現在活躍中の人間であったなら、好感を持てたかどうかはなはだ疑問です。このように高畠さんの紹介をしようとする人間とは思えない冷たい態度なわけですが、これは事実なのでしかたありません。要するに、私としては、高畠さんのような面白い人間はもっと世の中に知られていてもいいはずだと思っているだけなのです。

しかしなかが高畠さんの文章は、なかなか世間に流通しておりません。古本屋や図書館にいけば、マルクス関係のものは珍しくありませんが、肝心のエッセイ集などはあんがい入手が難しいようです。少なくとも私の近所ではそうでした。これではせっかくの高畠式毒舌も利用されず終いになってしまい、少しくもったいなく思う気持ちが生まれました。そこで高畠さんの著作をデータ化してネットで公開しようと思い立ち、2005年7月11日、「高畠素之の部屋」なる題目を掲げ、高畠素之のエッセイ集と単行本未収録の著名な論文を公開することにしました。

その後、紆余曲折を経てサイトを運営してきたのですが、諸般の事情で管理がむつかしくなり、2010年2月28日ひとたびサイトを閉鎖することにしました。しかしせっかくむかしせっせとデータ化したものなので、なんとなく捨ててしまうには忍び難いものがありましたので、少々手を加えて再度公開することにしました。まず昔の「偏局観測所」はやめて、「高畠素之選集」としました。それから懸案だった旧字体旧仮名遣いを改め、新漢字新仮名遣いに書き換えることにしました。

漢字の書き換えはそれほど難しくないのですが、仮名遣いの変更は手作業になりますので、ぼちぼちやっていこうかなと思っています。私自身も従来ほど高畠さんにこだわっているわけでもありませんから、途中で終わるかも知れませんし、いつしかやり遂げるかもしれません。あるいは作業を終えるまでに私が死ぬかもしれません。まあ、その程度の気持ちで進めることにしています。

なお以前のデータ(旧漢字旧仮名遣い)が欲しい人はメールでご連絡ください。よほど変な用途に使うでもない限り、お譲りします。

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