『マルキシズムと國家主義』附記

凡例

  • 底本には『マルキシズムと国家主義』(改造社,昭和2年)を用いた。
  • 底本の漢字は、jis第二水準以内の漢字は一律に旧字に改めた。
  • 底本に新字体(当時の略字)が用いられている場合も、jis第二水準以内の漢字は一律に旧字に改めた。
  • 仮名遣いは底本に依った。
  • 二字の踊り字は、一々注記せず、一律に文字に置きかえた。但し「ゝ」「ゞ」「々」はそのままとした。
  • 原文に見られる明かな誤植・誤字は、注記せずに直した。但し意味として通じる場合、或いは高畠氏自身の用字と思われるものはそのままとした。
  • 本書は統計等が頻出するため、一部の漢数字をアラビア数字に直した。
  • 混乱を避けるべく計算式の一部を鉤括弧で括った。

底本

  • 著 者:高畠素之
  • 發行者:山本美
  • 印刷者:椎名昇
  • 發 兌:改造社
  • 定 價:金壹圓
  • 昭和二年四月十二日印刷
  • 昭和二年四月十五日發行

初出

本書は前後篇に別れるが、何れも高畠自身の序文にある通り、前篇「マルキシズム概説」は『社会問題講座』に、後篇「國家主義概説」は『社會經濟體系』に依っている。

前篇「マルキシズム概説」は『社会問題講座』の第一巻(新潮社,大正十五年)以来、「マルキシズム概説」として連載されたらしい。タイプ者が確認したのは第一巻のみであり、随って第一回のみ確認している。『社会問題講座』所収の「マルキシズム概説」は、講座向けの言葉などが挟まれている。(論文冒頭に「筆者が担当するのは云々」などの言葉を指す)また伏せ字も多い。

後篇「国家主義概説」は『社会経済体系』第六編「社会思想・資本主義社会の解剖」上巻(日本評論社,出版年不詳)に収録されている。出版年は書されておらず、厳密には何年に出版されたか明らかにし難い。併し体系そのものは大正十五年以後に出版されたものの如くである。本書所収論文と体系所収論文とは同じ内容だが、体系所収論文は本文冒頭に参考文献が掲載されてある。本書所収に方り、何故削除されたかは不詳。以下、参考に体系所収論文の「参考文献」を掲げる。

参考文献

(1)バルト著『ヘーゲル及びヘーゲル学徒の歴史哲学』(Barth, die Geschichtsphilosophie Hegels und der Hegelianer dis auf Marx und Hartmann, 1890.)
(2)ベルンシュタイン編『ラッサレ全集』(Ferdinand Lassalles Gesammelte Reden und Schriften, Hrsg. von ED. Bernstein, 1919, Ⅱ Bd.)
(3)ディーツェル著『ロドベルトス』(Diezel, Rodbertus, 1888.)
(4)ヘルトウヰグ著『有機体としての国家』(Oscar Hertwig, der Staat als Organismus, 1920.)
(5)カウツキー著『近世社会主義の先駆者』(K.Kautsky, Vorlaufer des neueren Sozialismus, 1920.)
(6)ケルゼン著『社会学的方法と法律学的方法との限界』(Hans Kelsen, uder Grenzen zwischen soziologischer und juristischer Methode, 1911.)
(7)ケルゼン著『社会学的及び法律学的国家概念』(Hans Kelsen, der soziologische und der juristische Staatsbegriff, 1922.)
(8)ケルゼン著『社会主義と国家』(Hans Kelsen, Sozialismus und Staat, 1923.)
(9)ケルゼン著『国家総論』(Hans Kelsen, allgemeine Staatslehre, 1925.)
(10)クイェレン著『生活形態としての国家』(Rudolf Kjellen, der Staat als Lebensform, 1924.)
(11)加藤弘之著『国家の統治権』(大正二年六月刊)
(12)加藤弘之著『人生の自然と吾邦の前途』(大正四年十一月刊)
(13)レニン著『国家と革命』(N.Lenin, Staat und Revolution, 1918.)
(14)レンツ著『国家とマルキシズム』(Fr.Lenz, Staat und Marxismus, 1922.)
(15)シュヴェグラー著『哲学史』(Albert Schwegler, Geschichte der Philosophie, Hrsg. von Verlag von Reckam.)
(16)シュメンド著『立憲国家に於ける政治的権力、及び国家形態問題』(Rudolf Smend, die politische Gewalt im Verfassngsstaat und das Problem des Staatsform, 1923.)
(17)シュミット著『国家総論』(Richard Schmidt, Allgemeine Staatslehre, Ⅰ Bd, 1901.)
(18)シュタムラー著『経済と法律』(Rudolf Stammler, Wirtschaft und Recht, 1914.)
(19)ズルタン著『マルクス、エンゲルスの社会及国家観』(Herbart Sultan, Gesellscaft und Staat bei K.Marx und F.Engels, 1922.)
(20)高畠素之著『マルクス十二講』(大正十五年三月刊)
(21)上杉慎吉著『国家論』(大正十四年九月刊)
(22)上杉慎吉著『憲法述義』(大正十三年七月刊)
(23)フォーゲル著『ヘーゲルの社会観念』(P.Vogel, Hegels Gesellschaftsbegriff, 1925.)
(24)フォルレンダー著『マキアヴェリよりレニンまで』(K.Vorlander, von Machiavelli bis Lenin, 1925.)
(25)ヴェルゼングリューン著『各種の歴史観』(Welsengrun, verschiedene Geschichtsauffasungen, 1890.)

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